1.公正証書遺言は費用がかかりますが、公証人が証人2人以上立会いのもと
本人確認を行い、本人の意思に基づいて作成します。原本は公証役場に保管されるので、
確実に遺言を残したい方には「公正証書遺言」がお勧め。
・遺言者の口述に従い公証人が遺言書を作成する
・遺言書に氏名の記入と押印をする
・公証人と証人2人以上の立会いが必要である
・財産と受遺者人数に応じた費用が必要
・検認の必要がない
2.傷病等の事情により、字を書くことができない場合でも、誰に何を譲りたいのかを明確に
意思表示できれば、署名は公証人に代筆してもらうことができる。話すことができない場合
でも、筆談により自分の意思を記すことができれば、公正証書遺言を作成することができる。
また一般的に、公正証書遺言は遺言者本人が公証役場に行って作成するが、事情により
公証役場へ行くことができない場合には、公証人に出張を依頼することも可能。
ただし出張を依頼できる公証人は、出張する場所(居所や病院等)と同一都道府県の公証
役場の公証人に限る。
※検認…遺言書の形式の調査や確認すること
・遺言を預かっている者若しくは発見した者は、遺言者が死亡したことを知った後、
遅滞なく家庭裁判所に検認の申立をしなければならない。
・手続きは遺言者の最後の住所を管轄する家庭裁判所にて行う。
・封印のある遺言については、相続人立会いの上開封することとなっている。
・遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本と住民票の除票、相続人全員の戸籍謄本と住民票、
申立人の戸籍謄本と住民票が必要。
・後日、相続人全員に検認の立ち合い通知が届く。
・相続人全員がそろわない場合でも検認は行われる。
・検認が終了すると自筆証書遺言に検認済証明書が付けられる。
※公証人…法律実務経験者の中から、法務大臣が任命する法務局所属の公務員で、公証役場
で執務している。
公正証書遺言はこの公証人のみが作成できる。
なお、公証役場は全国の都道府県に存在し、約300箇所ある。
※証人…遺言を作成する手続きは公証人と遺言者のやり取りで行う。証人はそのやり取りが
正確に行われているかどうかを確認し、公正証書遺言の原本に記名押印する。
遺言の内容について意見を述べることはできない。
証人は、未成年者・推定される相続人・遺言の受遺者及びその配偶者等はなること
ができない。
※受遺者…遺言書で財産を譲り受ける人
3.公正証書遺言作成の流れ
1)<事前準備>
・公証役場の公証人に遺言書を作りたい旨を申し出る。
・公証人に作りたい遺言の内容(誰に何を譲りたいのか)を伝える。
・遺言作成の日時を決める。
・作成時に必要なものを準備する。
作成時必要なもの
・遺言者本人の本人証明書類(下記のいずれか)
印鑑証明書と実印
運転免許証の写し(両面)と認印
パスポートなどの写真付証明書の写しと住民票と認印
・遺言者本人の戸籍謄本
・受遺者(財産を受ける方)関連資料
推定相続人の場合・・・・・受遺者と遺言者本人との続柄がわかる戸籍謄本
推定相続人でない場合・・・受遺者の住所、氏名、生年月日がわかるもの
・証人2名以上
※証人になれない人・・・受遺者、推定相続人、左記の配偶者と直系血族、未成年者
・遺言内容に不動産がある場合
固定資産評価証明書又は納税通知書
登記事項証明書
2)<当日の流れ>
遺言者、公証人、証人(2名以上)が、一室で手続きを行う。
上記以外の方が同席することはできない。
①公証人が遺言者の本人確認のため、下記の事項を口頭で遺言者に確認する。
住所、氏名、生年月日
②公証人が「誰に何を譲りたいか」を遺言者に質問する。
回答した内容をもとに、公証人が書面で遺言書を作成する。
③作成した遺言書を公証人が読み上げる。
遺言者及び証人は内容を確認する。
④証人は、一連の手続きに不備がないかを確認する。
⑤遺言書の内容に間違いがなければ、署名欄に遺言者本人及び証人が記名押印をする。
⑥公証人が記名押印をして公正証書遺言が完成する。
3)通常、公正証書は「原本」「正本」「謄本」の3通を作成する。
原本…公証役場に保管するもの
正本…原本と同じ効力を持つもの
謄本…原本から作成した正確な写し
4)遺言者は「正本」と「謄本」の2通が交付される。
実際の執行手続きは、「正本」「謄本」どちらでも手続きが可能。
原本は公証役場に保管されているので、交付された謄本を万一紛失しても再度交付
申請(有料)することが可能。
TEL:090-1103-1990 FAX: 045-471-1990
Mail: info@shio20.com