1.消費者の生命・身体や財産被害にかかわる消費者被害の発生防止・拡大防止を図る法律とし
  て、消費者安全法があります。
  財産分野における消費者安全法に基づく注意喚起を行っています。

2.その中でも具体的効果を持っている主要な法律として、消費者契約法があります。
 1)事業者の不当な勧誘行為によって結ばれた契約の取消、不当な契約条項の無効、
 適格消費者団体による差止請求などを定めています。
 
 2)消費者団体訴訟制度(消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特
 例に関する法律)も設けていて、不当な事業者に対して、特定適格消費者団体による被害の集団
 的な回復を請求できるなどを定めています。 (詳細は後述します。)    
 
 ※アメリカでは、より消費者の保護を図るため、独特のクラスアクションという制度があり、
 一人が全消費者を代表して訴訟を起こし、消費者側が勝利した場合には全員分の損害賠償金を勝
 ち取ることができるという制度で、1つの企業の存在までも危うくしてしまうため、アメリカの
 企業では、法律を順守することにかなりの神経を使っているようです。ただ日本でも、事業者に
 とって消費者保護法令の遵守体制を確立することは重要です。

 3)消費者が事業者と契約をするとき、両者の間には持っている情報の質・量や交渉力に格差が
  あります。このような状況を踏まえて消費者の利益を守るため、2011年4月1日に消費者契約
  法が施行されました。
   同法は、消費者契約について、不当な勧誘による契約の取消しと不当な契約条項の無効等を
  規定しています。
   また、2016年の法改正により消費者団体訴訟制度が導入され、2017年6月より運用されて
  おり、2008年の法改正では、消費者団体訴訟制度の対象が景品表示法と特定商取引法に、
  2013年の法改正では、食品表示法に拡大されました。
   その後、2016年、2018年には、取り消しうる不当な勧誘行為の追加、無効となる不当な契
  約条項の追加等の民事ルールの改正が行われました。

3.そのほかにも、偽装表示や誇大広告など、商品やサービスについての不当な表示を規制する
 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)もあります。
 
4.また、訪問販売、通信販売等、トラブルを生じやすい取引を対象に、事業者が守るべきルール
 と、クー リング・オフ等の消費者を守るルールを定めている特定商取引法もあります。消費者
 が商品・サービスを安心して取引できる市場環境の整備を図っています。

5.品表示制度 食品の表示に関するルールを定めています。
 ・機能性表示食品に関する情報
 ・健康や栄養に関する表示の制度
 ・安全や衛生に関する表示の制度
 ・品質等選択に役立つ表示の制度
 ・公益通報者保護制度

6.消費者保護法に関して
 1)消費者保護法とは、現在の消費者保護法制は消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法、
  訪問販売法、貸金業規制法、利息制限法などがあり、これらを総称して消費者保護法と言い
  ます。
   企業の消費者保護法令への対応が不十分な場合に、企業の存立を危うくする事態にもなり
  うるため、事業者にとって消費者保護法令の遵守体制を確立することは非常に重要性高い。

 2)消費者保護方への対応
  これらの消費者保護法制は、消費者の権利意識が高まるにつれ繰り返し改正があり、行政当局
 の対応も変化がめざましく、事業者の法務担当者の方々は対応に苦慮しているのが現状です。

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