1.電子契約…紙で締結していた従来の契約書を電子文書に置き換えたもの。
 ・電子署名やタイムスタンプを用いて双方の合意を証明し、法的効力を
  持たせられる。
 ・インターネットや専用回線といった通信回線を用いて契約を完結できる。

  一般財団法人「日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)」が普及を進めて
 おり、企業全体の14%がすでに採用、検討しているのは29%と、電子契約
 導入に43%もの企業が前向きに取り組んでいる。

2.電子契約と従来の契約との違い
  ①電子契約での契約締結では、従来必要だった「印刷」「製本」「封入・
   郵送」「返送」「ファイリング」という作業がなくなる
   →手間の無駄がなくなる。
  ②合意後に個別の内容に応じた契約書を作成するのは電子契約も同様だが、
   相手方の郵送や返送に非常に時間がかかるケースが多く、契約書が手元
   に戻るまで最大2〜3週間かかってしまうこともある。
   →時間の無駄がなくなる。
③電子契約で印紙は不要になる。
   →印紙税法によって、印紙税の対象とされているのが、契約書や領収書
    などの紙の文書に限定されているから。

3.電子契約の流れ電子契約の流れ
   ①作成した契約書をPDF化する際に、電子署名とタイムスタンプを生成
   ②電子署名とタイムスタンプを埋め込んで送付
   ③確認した相手方が同様に電子署名とタイムスタンプをPDFに埋め込む
   ④返送
   ⑤契約完了して保管
   ⑥契約書PDFファイルのやり取りは、メール添付で行われることもある。
    ➡しかし最近ではクラウドサインに代表される電子契約システムに
     よって、契約締結のプロセスをクラウドで管理できるようになって
     おり、強固なセキュリティと管理のしやすさで注目されている。

4.電子契約に必須の「電子署名」と「タイムスタンプ」
 1)電子署名
   電子サインの一種である電子署名とは、従来の契約書における押印または
  署名に置き換えられるもので、電子署名法によって「押印または署名と同等
  の法的効力を持つもの」と定められている。
   従来の押印をスキャンして契約書に取り込む方法では、改ざんや不正が
  行われる可能性が否定できず、秘密鍵や公開鍵といった仕組みを持つ電子
  署名により、正式に認証された契約書として、法的な効力を担保できる
  ようになる。
   また付随的なメリットとして、印鑑を探したり、朱肉を探したりする
  手間や買うコストも削減できることも。

 2)知っておきたい注意点
   電子署名を利用するには、事前に認証機関へ届け出て自身の「秘密鍵」を
  取得しておく必要がある。これをもとに「電子署名生成プログラム」で、
  電子署名という「公開鍵」を生成してPDFに埋め込むことになる。

 3)タイムスタンプ
   電子署名が埋め込まれただけの状態では、「いつ契約書に署名が行われた
  か?」という状態が判断できない。
   そのため、電子署名とそれが行われた時間であるタイムスタンプを同時に
  埋め込む必要があり、データ通信協会の認定を受けた、正確な時刻を管理
  できるサーバーによるタイムスタンプが使用されることが多くなる。

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