1.家族がデジタル遺品を残して亡くなった場合はどのように対応すればいいか。
 遺族の立場からのデジタル遺品に関する思考。
 1)最初にすべきことは現状把握と情報収集。
   メインで使っていたパソコンやスマートフォンにログインできれば、その中身を中心に
   調べていくほうが効率的。
   なぜなら、「金融資産」や「支払い契約」はブラウザのブックマークや閲覧履歴、メール、
   チャット、アプリなどから見つかることが多いから。
   「仕事関連」や「思い出関連」を探す場合は、それらに加えて「マイピクチャ」や写真アプ
   リなどもチェックする。
 2)注意点
   故人のログイン設定のままSNSアカウントを開いたりメールを送受信したりすると、不正
   アクセス禁止法に抵触する恐れがある。
   現実には、故人のアカウントでSNSやブログにログインして訃報や葬儀の告知を掲載する
   遺族は昔から多く、それを運営側がとがめた例はない。
   喫緊の対応ということで黙認されているが、悪意のある改変や情報の抜き出しなどがあれ
   ば問題視される可能性がある。
   そうした判断の難しい領域での作業になることは念頭に置く必要がある。
 3)非デジタルの情報もできるかぎり集める意識が大切
   通信契約の書類やネット銀行のカード、取引履歴などが物質的な書類として残っていること
   も多々ある。
   お葬式の合間に、故人の同僚の方からの情報があった場合、そうした非デジタルの情報を
   併行して集めることも肝要。 見えにくい遺品と向き合うためには、なるべく多くの情報を
   集めて対処していくしかない。
 4)こうした一連の作業を通して、対処すべきデジタル遺品リストを作ることになるが、
   手間は大きくなるが、家族の立場ではできないこともあり、資産をすくい取る苦労は
   持ち主の生前整理に大きく左右されるため、家族の幸せのためにも頑張ることが大切。

 5)スマートフォンや携帯電話の通信通話契約を解除するといった実作業はこれらの作業の後
   にすること。 葬儀後に重要なメールやメッセージが届くこともあらため。
   ※スマートフォンのロックを闇雲に開くのは3回までに注意!

 6)辛いのはメインで使われていたパソコンやスマートフォンのロックが解除できないとき。
   パソコンに詳しい人なら、物理的にHDDやSSDを抜き出すといった手も使えなくもないが、
   スマートフォンは厳しい。

 7)解除キーが思い当たらないときは故人や家族の誕生日などをとりあえず試してみたくなる
   が、その作戦は3回までで止める。
    5回以上連続でミスすると「●分後にお試しください」という表示が出るが、バックグラ
   ウンドでセキュリティレベルが上がり、専門家でも解除がより難しくなる。
    さらに10回連続でミスすると、設定によっては中身が空っぽになってしまうこともある。

 8)こうなったら一旦ロック解除は諦めて、他の機器やクラウド上にあるバックアップを探す
   といった次善策に切り替えるのが得策。
   そのうえで、上記のような多角的な情報収集を続け、プロのデジタル遺品解析サービスに
   依頼する道筋も検討する。まずは電話やメールで見積もり相談をすることも1つの手段。
    ※なお、プロのデジタル遺品解析サービスであっても、確実にロック解除できるわけ
     ではない。 一般的に、販売されたばかりの最新機種や流通量の少ないレアな機種は、
     解析のノウハウが蓄積していないため難易度が上がるとのこと。

TEL:090-1103-1990   FAX: 045-471-1990
Mail: info@shio20.com