1.人が亡くなると、その時点から相続が発生する。
  相続税は、相続(財産を相続できるのは法定相続人のみ)と
  遺贈(遺言によって財産を法定相続人以外の人に贈与すること)によって
  亡くなった人の財産を受け継いだ人に発生する。
  ※相続や遺贈のほかに、亡くなった人から死亡前3年以内に贈与された財産と、
   相続時精算課税の適用を受けた贈与財産も相続税の対象となる。

2.相続する財産にはさまざまなものがあるが、その中には”相続税のかかるもの”
  と”相続税のかからないもの”がある。
 ◇相続税のかかるもの
  現金、預貯金、有価証券、宝石、貴金属、土地、家屋、ゴルフ会員権、自動車、
  骨董品、書画、美術品、特許権、著作権など
 ◇相続税のかからないもの
  墓、仏壇、神棚、国や地方公共団体など公益法人に寄付した財産、一般的な常識
  の範囲内での弔慰金や花輪代、死亡保険金の一部(500万円×法定相続人の数)、
  死亡退職金の一部(500万円×法定相続人の数)

3、相続税のかかる財産でも、すべてが相続税の対象になるわけではない。
  ①葬儀費用、借入金、亡くなった後に立替払いした未払いの税金や医療費など
   →相続財産から差し引くことができる(これを債務控除という)。
  ②相続財産からは、定められた額を差し引くことができる。
   →この差し引く額のことを「遺産に係る基礎控除額」という。
    ※遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
   ➡相続税のかかる財産の総額が遺産に係る基礎控除額を超える場合は、
    相続税が発生することになる。

4.相続税の税額控除
  相続税のかかる財産の総額から基礎控除額のほかにも控除できるものもある。
 相続税を計算する際は、下記のような税額控除も認められている。
 ◇配偶者の税額軽減
  配偶者は法定相続分の金額、または、1億6千万円のどちらか大きい金額まで
  は相続税がかからない。
  (内縁関係は除く)
 ◇未成年者控除
  相続する人が未成年の場合は、20歳に達するまでの年数1年につき10万円が
  控除される。
 ◇障害者控除
  相続する人が障害者の場合、85歳に達するまでの年数1年につき10万円
  (特別障害者は20万円)が控除される。
 ◇相次相続控除
  10年以内に二度相続が発生した場合は、2回目の相続時に、1回目に納めた
  相続税の一定金額が控除される。
 ◇外国税額控除
  外国にある財産を取得した場合、外国で相続税に相当する税を支払ったとき
  には、その税額に相当する金額が控除される。
 ◇暦年課税分の贈与税額控除
  相続開始前3年以内に亡くなった人から贈与された財産は相続財産に加えるが、
  贈与税を支払っているときは、その贈与税額は相続税額から控除される。
 ◇相続時精算課税分の贈与税相当額
  相続時にそれまでの贈与財産は相続財産と合算するが、すでに支払った相続時
  精算課税にかかる贈与税額は相続税額から控除される。
  →このとき控除しきれなかった贈与税額は還付される。

5.最近の傾向として、相続税の課税対象者は以前よりも増加する。
 1)平成27年1月1日より遺産に係る基礎控除額が引き下げられたからで、
   以前の基礎控除額は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」だったが、
   当時は相続税の課税対象者は少なく、平成24年では全体の4.2%のみだった。
 
 2)基礎控除額が引き下げられたことで、都心部など地価の高い地域に土地を
   持つ人などは、相続税の課税対象者になる可能性が出てきた。
   →突然の納税で困らないために、事前に相続税対策をしておくことが大切。
   まずは、相続財産がどれくらいになるか見積っておき、相続税が課税されるか
   どうかを確認しておくこと。

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