「事実証明に関する書類」とは、社会生活にかかわる交渉を有する事項を証明するにたる文書をいいます。かなり多種多様なものがあります。
「事実証明に関する書類」のうち、主なものとしては、実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)、定款、各種議事録、会計帳簿、申述書等があります。
 以下列挙してみます。

①調査書類・図面等
土地の購入の手続きとして実地調査、各種図面作成、隣地所有者の同意手続きが必要になることため。また、交通事故調査書なども入ります。

②会社・法人の定款、議事録等
株式会社を設立する場合、定款を作成し公証人の認証を受けなければその効力を生じないと会社法にて定められており、公証人による定款の認証作業が必要になります。定款の内容は、目的・組織・活動・構成員・業務執行についての基本原則が挙げられます。従来は紙ベースでしたが、現在は電子定款が主流です。

また、社団・財団法人や社会福祉法人、医療法人などはそれぞれの根拠法により設立要件が定められ、行政庁の認可等が必要です。これら法人の設立、変更等に必要な定款や議事録等の作成は行政書士の業務となっています。

会議の経過及び経過を明確にしておく書面である。対外的には機関としての意思決定等を証明する資料として、会社役員変更時、または実際に各種申請書にこの議事録謄本を添付することが多い。

③会計帳簿・決算書類等
会社やお店の日々のお金の動きとして、会計帳簿・決算書の作成を行います。行政書士が行う場合、記帳する者と申告する者が別になるため、よりいっそうの公平・公正が保たれます。

④内容証明郵便
差出人がどのような内容を誰にいつ発信し、相手方がいつ受け取ったのかを証明してくれるもので、クーリングオフ、催告・通知等、相手方に意思を伝達するものとして活用されてます。

⑤就業規則
株式会社等の法人設立の際、労働者を10名以上常時使用する事業者は、就業規則の作成が必要となっています。

⑥請願書、陳情書
請願書とは、民意を反映させるために公の機関に提出する文書であり、国会の各議院に対する請願については国会法及び衆参両議院規則に、地方議会に対する請願については地方自治法にそれぞれ特別の定めがあります。

他方、一定の事項に関する利害関係者が、公の機関に実情を訴えて、相当な措置を要望する等の文書で、その手続きや形式が規定されていない場合は陳情書として取り扱われます。

⑦財務諸表
法人団体等の経理を会社法等により記録し、その内容等を明確にすると同時に各種許認可手続きの添付書類としても使用される。また日々の企業活動の記録である会計記帳業務も事実証明に関するものと言えます。

⑧事業を行う場合に作成する企画書。許認可手続き上の添付書類や、銀行等から融資を受けようとする場合に必要とされることが多いです。

⑨始末書、誓約書
公の機関などに許認可手続きに伴い、過去の不始末を事実として認め、再発しないことを確約し、穏便な措置を期待して作成提出する場合があります。

⑩他権利義務に関する書類
告訴状、告発状、減刑嘆願書等があります。

⑪許認可申請に伴う添付書類
許認可の申請・届出手続きに関して、その内容を説明あるいは証明するために各種の書類等が要求される。その主なものとしては次のようなものがあります。
人(法人)を確認するもの
住民票、戸籍謄抄本、登記事項証明書(法人登記簿謄本)、印鑑証明書等
場所等を確認するもの
公図写、境界協定図、位置図、案内図、現況図、現況写真、区域図、測量図等
所有権等権利の存在を確認するもの
登記簿謄本、売渡証、贈与証書等
資格の有無や条件に適合しているかを確認するもの
資格証明書、合格証、登録証、法人登記簿謄本、定款、納税証明・資金証明書、融資証明書、関係者同意書、関係者との協議書等、
その他、計画等を示す図面類
各種利用計画国、配置図、構造図、建物図面、平面配置図等

以上より、多種多様の事実証明を、行政書士の署名捺印で作成することとなります。

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